「カヴェルネ・ソーヴィヨン」を使ったチリのワインについて

チリのワインは、ここ数年で急激に注目され始めたものと言えます。今から15年ほど前は、チリのワインは1000万リットル以下の輸入量でした。当時一番人気であったフランスワインの輸入量が6000万リットルを超えていることを考えれば、いかに当時、チリ産ワインに目線がいっていなかったかが分かるでしょう。

しかしチリサンワインは2007年から少しずつ輸入量が増えていきます。特に2011年~2012年にかけて、輸入量が大きく伸びました。1年の間で1000万リットルほども輸入量が増えています。

この勢いは止まらず、その後もどんどん輸入量が増えていきます。そして、2015年には、ついにフランスワインの輸入量を抜き、トップに躍り出ました。このように、チリ産ワインには、ほかの国にはない歴史と急激な成長があります。

チリの気候条件について

チリの気候は地域によって大きく異なります。非常に長い国であるため、北部と南部では気温や気候がまったく異なるのです。地中海のような気候を持つ土地もあり、砂漠が広がっているところもあり、ツンドラがある地方があり……と、非常に面白い国なのです。

チリの首都であるサンチアゴを見てみます。ここの平均最高気温は29.7度(1月)。平均最低気温は7月の3.9度です。日本とは真逆の気候ですね。

降水量は月によって大きく変わりますが、年間で312.5ミリメートル程度です。ワインの生育によいとされている雨量(500~800ミリメートル)には届きませんが、7月などはかなりの量の雨が降ります。

今回はそのなかから、「カヴェルネ・ソーヴィヨン」について取り上げましょう。

カヴェルネ・ソーヴィヨンの特徴

カヴェルネ・ソーヴィヨン(「カベルネ・ソーヴィヨン」とも)は、もっとも有名な赤ワインのブドウ品種のうちの一つだと言えるでしょう。まったくワインの知識がない人であっても、赤ワインを何度か飲んだことのある人ならば、高い確率で味わっているブドウだと言えます。

カヴェルネ・ソーヴィヨンの原種は、「カベルネ・フラン」と呼ばれるもの。しかし現在はこの原種の方は地域固有種の扱いとなっています。フランスでよく育てられており、ほかの国での生産量はわずかにすぎません。

カヴェルネ・ソーヴィヨンの方は国際種として、多くの国で育てられています。赤ワインらしいタンニンを感じ、熟成に向きます。

チリのカヴェルネ・ソーヴィヨンについて

チリのカヴェルネ・ソーヴィヨンは、「ブレンドなどをしなくても、非常に品質の高いものとなる」として有名です。濃厚ではありますが重すぎず、バランスが非常によいワインです。個人的には、チリのカヴェルネ・ソーヴィヨンは、たしかにタンニンは感じるものの、それほど重すぎない味に仕上がっていると感じています。口に含んだときは渋く感じますが、それはすぐに嫌味なく霧散するので飲みやすいでしょう。

香りはワインによって大きく異なります。アルコール臭さを感じるものもあれば、ハーブの香りを強くまとうワインもあります。飲んでいくうちに、キャラメルやベリーの香りを感じることもあるでしょう。ただ、いずれにせよ、飲みにくく感じるほどの香りは長続きはしません。

辛味と深みをまといながらも飲みにくさを感じさせないのがチリのカヴェルネ・ソーヴィヨンの特徴だと言えるでしょう。1000円以上のワインであるのなら、選び方をよほど間違えない限りは、コストパフォーマンスに極めて優れたものを楽しめるはずです。「チリのワインは安くて高品質」という評価を、チリのカヴェルネ・ソーヴィヨンのワインは象徴していると言えるでしょう。

合わせたいのは、ある程度脂身の少ない牛ロースなど。パエリアもおすすめです。豚バラ肉やモンブランといった、油や甘味の強いものには向きません。