「カルメネール」を使ったチリワインについて

2015年に、ワイン業界は一つの大きな転換期を迎えました。以前「フランスのワイン」について触れた記事でも取り上げましたが、この年、ワインの輸出量NO1(対日本)で今まで不動の1位を獲得してきていた「フランス」が、初めてほかの国に負けたのです。それが、チリのワインでした。

チリは日本とはちょうど逆の気象条件を持ちます。雨の量はそれほど多くはないものの、地方によって異なる天候を持ち、気象状況の起伏に富んだ国だと言えるでしょう。

「カルメネール」について~不遇をかこっていた新しい品種

今回とりあげる「カルメネール」は、実は、とても新しい品種です。

本当のところ、その歴史はそれなりに古いのですが、「カルメネール」が「カルメネール」として認識されるようになったのは、なんと1990年代に入ってからだと言われています。それまでは、カルメネールは「メルロー」と差別化されておらず、これと混同されていました。その結果、カルメネールはカルメネールとして一本立ちができず、不遇をかこっていたわけです。

このような歴史があるからか、専門書のなかでも、少し古いものであると、この「カルメネール」についてまったく触れていないものもあります。

ちなみにここでは「カルメネール」としていますが、「カルメネーレ」「カベルネ・ジェルナッシュ」と表記されることもあります。

カルメネールは赤ワインの原料となっています。もともとはフランスはボルドーの土地で生まれましたが、現在では、フランス産のカルメネールがみられることは極めてまれです。一般的には、チリで育てられています。私自身も、チリ産のカルメネールは何本か飲んできましたが、フランス産のカルメネールは飲んだことはありません。

カルメネールの持つ味の方向性とは?

カルメネールは、たとえ安いワインであっても、渋みやタンニンをそれなりに感じることができるでしょう。男性的な味わいを持つ赤ワインに仕上がるため、やや玄人向けかもしれません。ただ、このタンニンが口のなかにいつまでも残り、強烈な渋みを出すかと問われれば、「そんなことはない」と言えることでしょう。

チリ産のカルメネールは、たしかにタンニンや渋さを感じることはできます。しかしながら飲み終わると、渋さが口のなかに残ることはありません。
味わいはまったりとしており、時間をかけて飲めるワインだと言えるでしょう。

香りに関す手は、プラムやコーヒーのような香りを感じる、と評する人もいます。これはワインにもよると思われますが、私はカシスの香りを強く感じました。
ある意味では「赤ワインらしい赤ワイン」と言えるでしょう。

あわせる料理は複雑!?あなたはどっちの意見を選ぶ

では、カルメネールにあう料理を見ていきましょう。

これは人によって評価が分かれます。私などは、「ラム肉や豚肉、国産牛はカルメネールには合わない。これらは肉の油が勝ちすぎる。鶏肉か、脂肪分の少ないアメリカ牛の方がよい」と感じました。これは実際に両方を作っての感想です。

ただ、専門家のなかには、「いや、羊肉は相性がよい。肉らしい肉がよい」とする人もいます。しっかりしたその味が、カルメネールをひきたてるという考え方です。

この点については、評価が分かれます。私は後者の意見とは逆の意見をとっていますが、ワインの銘柄によって差はあると思われます。なかには、「魚料理をあわせるのもよい」「炭水化物と合わせると楽しみやすい」とする意見もあります。理想的なのは、一口飲んでから決めることでしょう。