「ゲヴェルツトラミナー」~フランスのアルザス地方でつくられるワイン用のブドウ

フランスは、ワインの名産地として非常によく知られています。
ワインと言えばフランス、という人も多いのではないでしょうか。
しかしフランスは広大。
そのなかから、アルザス地方と、そしてそこで作られている「ゲヴェルツトラミナー」について取り上げます。

フランスのアルザス地方について

アルザス地方は、非常に特異な地域だと言えます。なぜなら、フランスのなかでも、非常に色濃くドイツの影響を受ける地方だからです。これは、アルザスという地方が、幾度も幾度もドイツからの侵攻を受け、そして歴史のなかではドイツに支配されていた時代もあることと無関係ではありません。このため、建物などにも、ドイツの色がよく見られます。

この地方は、しかし、もう一つ独特の文化があります。それが、フランス語にもドイツ語にも属さない、「アルザス語(「アルザシアン」とも)」が話されているということ。幾度もの侵攻や動乱のなかで、アルザスの人たちは、自身の文化性の確立をしっかりしてきたのだ、と評されています。

アルザス地方は、「バ・ラン県」と「オー・ラン県」に分けられ、その風土も異なります。さまざまなブドウが育てられており、バ・ラン県とオー・ラン県ではつくられるワインの方向性も異なります。ただし、最高級品のワインに使われるブドウについては厳しい決まりがあり、それを逸脱することは許されていません。

ゲヴェルツトラミナーというブドウについて

さて、今回取り上げるのは、ゲヴェルツトラミナーというブドウです。これは「ゲヴュルツトラミネル」「ゲヴュルツトラミネール」とも表記されます。少しややこしい、日本人にはなじみのない名前ではありますが、「ゲヴェルツ(ゲヴュルツ)」は、ドイツ語で「香辛料」「香り」を意味する言葉です。

外見はまるで黒ブドウのように見えますが、ゲヴェルツトラミナーからとられるワインは白ワインです。アルザス地方においてもっとも有名なブドウの一つであり、その名前の通り、強烈な香りをまとうのが特徴です(もちろん、ワインによって差はあります)

物にもよりますが、香りは甘く、時にはちみつのような香りをまといます。華やかな香りやマスカットのような香りが感じられるものもあり、複雑な香りを楽しむことができます。果実味を強く感じるため、コクを味わうこともできるでしょう。長く余韻が感じられるため、食事を通して楽しめるワインだと言えます。

酸味は比較的穏やかです。「辛口」と言われますが、甘味があるものもあります。
いずれにせよ、甘味や香り、酸味が強くても飲みにくさを感じることはそれほどないでしょう。
個人的には、キンキンに冷やして飲むことをおすすめします。

相性のよい料理としては、ハード系のチーズ。ミモレットなどが好相性ですが、クリーム系の軟らかいチーズとも相性がよいでしょう。チーズとあわせることで、その旨味は深まりますから、ぜひこれらを合わせてみてください。ただ、ブルーチーズとはそれほど相性がよくないので、この点にはご注意を。

食事のメニューには、酸味と甘みがあわさるものを選びます。キウイで漬け込んだ豚肉の真空調理などは、このアルザスのゲヴェルツトラミナーとよく合うでしょう。それ以外にも、魚料理とも相性がよいとのことで、これらを試してみるのもいいかもしれません。