「ピノグリ」アメリカでつくられるワイン用のブドウ

「アメリカワイン」というと、ヨーロッパのワインに比べると、「新しいもの」という印象を持つ人も多いかもしれません。
実際、アメリカのワインの歴史は、決して深くはありません。その始まりは、ヨーロッパから伝わってきたブドウの木によってもたらされました。つまり、アメリカワインは、「ヨーロッパのワインあってこそ」のものだと言えるのです。

今回は、このアメリカワインから、「ピノグリ」を取り上げていきましょう。

アメリカワインの歴史と生い立ち

上でも軽く触れましたが、アメリカのワインは、ヨーロッパのワインがあってこその文化です。ヨーロッパからもたらされたブドウが、ここで育てられるようになりました。それまでもブドウの木自体はあったのですが、それはとてもではありませんが、「高級なワインのためのブドウ」になり得るものではなかったのです。

さて、ヨーロッパから輸入されたこのブドウの木が広がり、受け入れられていったのは、19世紀の中頃だと言われています。アメリカワインの歴史が決して深いものでないことは、ここからも分かるのではないでしょうか。そのうえ、アメリカワインは、悪名高い「禁酒法」によって、その存在さえも危うくなってしまったのです。

現在でこそ、生産量も非常に増えていますが、アメリカワインにはこのような苦難の歴史があったわけです。

ちなみに、アメリカワインのうちの90パーセントがカルフォルニア生まれです。

ピノグリという品種について

ピノグリは、「ピノ・グリ」とも評されるものです。名前からも分かるように、あの赤ワインの名品種である「ピノ・ノワール」の親戚です。ピノ・ノワールの変種として誕生したものですが、ピノグリの方は白ブドウです。また、シャルドネとも親戚関係にある、非常に「顔が広い」ブドウだと言えるでしょう。

このピノグリは、アルザスがもっとも有名な生産地です。しかしここでも取り上げているように、アメリカなどでも育てられています。

さて、このピノグリ、「ピノ・グリ」と表記される以外に、もう一つ、「ピノ・グリージョ」という呼び方があります。こちらはイタリアの読み方です。フランスでは「ピノグリ」、イタリアでは「ピノ・グリージョ」と呼ばれているのは明確な違いですが、それ以外の場所では、どちらの呼び名も使われており、一概に「ピノグリが正式な名称だ」「世界で広く使われているのは、ピノ・グリージョの方だ」ということはできません。

アメリカのピノグリはワインによって味が大きく異なる

アメリカのピノグリを使ったワインは、香りが非常にバリエーションに富んでいます。
たとえば、コロンビアヴァレーの「ピノグリ シャトーサンミッシェル」の場合は、熟したマンゴーのような強くて甘い香りを感じます。反面、同じピノグリであっても、ロバート・モンタヴィ プライベート・セレクション ピノ・グリージョ」などは、香りが読みにくく、強い香りは感じません。

どちらのワインであっても、魚系のワインとよく合うでしょう。ただし前者はクリーム系の濃い味付けのものが合いますし、後者の場合は刺身などのあっさりしたものが合います。
味わいも異なり、ピノグリ シャトーサンミッシェルはふくよかで華やかな味わいですが、後者の場合は甘味と酸味のバランスがよい、というのが先にくる評価でしょう。

どちらも、苦味はそれほど強くありません。ただ、口のなかにほんのわずかな苦味が残るでしょう。そのため、食前酒としてではなく、魚料理と合わせる「食事ワイン」に仕上げっています。