飲食店でドラフトコーヒー

ドラフトコーヒーとは、アメリカ発祥のアイスコーヒーの一種である。ビールのようにサーバーから泡を注ぎ入れ、コーヒーの上にムースのように泡を乗せることで香りを閉じ込めたアイスコーヒーである。

発祥の地であるアメリカでは「Nitro Cold Blew Coffee」という呼び名であり、「ニトロ(ナイトロ)コーヒー」という呼ぶほうが一般的だ。ニトロとは「窒素」を意味する「Nitrogen(ニトロゲン)」から来ている。この窒素が泡の正体だ。専用サーバーを使い、たっぷりと窒素を含ませながらコーヒーを注ぐことで、表面にビールのようなきめ細やかな泡が乗る。ちなみに「Cold Blew(コールドブリュー)」は「水出し」の意である。

見た目はほぼ黒ビールであり、ミルクや氷は入れずに飲む。泡が蓋の役割をするため、氷を入れなくても冷たさが長持ちし、氷が溶けて薄まるということもない。表面の泡はクリーミーで甘みも感じられるのでカフェラテのような味わいであり、普段をミルクを入れる人にも、受け入れられやすい味になっている。

オレゴン州ポートランドに本社をもち、サードウェーブコーヒーの先駆けである「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ」が、2012年よりサーバーから注ぐ「コールドブリューコーヒー」を提供し始め、翌年の2013年に窒素を含ませ黒ビールのような見た目になる「ドラフトコーヒー」の提供を始めると、2014年には人気が急上昇し、その後1年間の需要が3倍に伸びたと言われている。

2016年には、スターバックスがが全米の限定500店舗で販売を行ったことからブームに火がつき、ニューヨークを中心に大人気となった。

アメリカの喫茶店・レストラン業界では、この10年でアイスコーヒーの需要が2倍に、コールドブリューコーヒーの需要は、2010年代に入ってから現在(2017年)まで、4倍近く増えているのだとか。間違いなく、このドラフトコーヒー(ニトロコーヒー)とコールドブリューコーヒーの人気によるものだろう。2015年に売り出した缶入りドラフトコーヒーも大ヒットしている。

トレンド総研では、2016年に流行した「コールドブリューコーヒー」に続くトレンドとして、この「ドラフトコーヒー」を挙げている。

日本でもじわじわと取り扱い店舗が増えつつあり、日本のスターバックスでも、2017年4月〜6月にかけて6店舗で取り扱いが始まったが、個人店舗での導入はまだ敷居が高いかもしれない。